藤本 現状を把握するため、医事課や看護師の協力のもと、過去1年間の検査数と陽性数の集計を2021年5月からスタートさせました。拾い上げた陽性者は全例、肝臓専門医にコンサルトすることになっています。検査で陽性が判明してから肝臓専門外来を受診するまでの流れを円滑に進めるため、電子カルテシステムを利用しています。例えば、検査結果が陽性の場合にアラートが表示され、患者さんへの説明文書や専門外来への受診勧奨文書が起動する仕組みとなっています。ただし、電子カルテに任せっぱなしにするのではなく、患者さんへの説明や専門外来への紹介が実践されたかどうかを検査科と看護師でダブルチェックし、対応が滞っている場合は患者さんに電話をして確実に専門外来を受診してもらうようフォローアップしています。
はじめに
一人でも多くのHCV抗体陽性者が適切な医療や支援を受けるためには、肝炎医療コーディネーター(以下、コーディネーター)をはじめ、院内のさまざまなスタッフが連携し、肝炎患者の拾い上げから受診勧奨までの流れをスムーズに進める必要があります。拾い上げ活動は大切な第一歩であり、それぞれの職種を活かしてどんな取り組みができるのか、周りのスタッフに手伝ってもらうためにはどうすればよいのか、日々迷いながら活動をされている方も少なくないと思います。今日は、関東・中部地方で活動する方にお集まりいただき、「肝炎撲滅のために今できること」をテーマに、職種を活かした肝炎診療に対する関わりやその思いをお話しいただきました。 (橋本まさみ)
問診時に必ず感染症と既往歴を確認し、未受診の肝炎ウイルス陽性者を受診につなげましょう。家族歴に肝疾患がないか確認し、肝炎ウイルス陽性の可能性がある人に検査を勧めましょう。